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Web連載 かとちえの短歌教室 【連載終了】
第3回目 かとちえの短歌教室 テーマは“嫉妬”


<ご挨拶>
こんにちは、加藤千恵です。
すっかり春ですが、
みなさんはお花見など行かれたでしょうか。(ちなみにわたしは行ってません)
好きな人を誘う口実としてお花見っていうのはおすすめだよ、
季節限定だし、普通のデートより誘いやすいよという情報を、
前に友人に教えてもらったことがありますが、
実行したことはないです。それってほんとなの……?
で、そんな前ふりとはまったく関係なく、
短歌を作るうえでのワンポイントです。

<リズムは音数だけじゃない>
短歌の文字数は、57577の31文字、ということは、
前にも触れましたし、
読んでくださってる方や投稿してくださってる方も、
もうご存知だとは思うのですが、
では、音の響きを考える上で、
5・7・5・7・7の文字数だけを意識すればいいのかというと、
実は他にも気にしてもらいたいポイントがあります。
たとえば「手紙では」と「レターでは」の2つでは、
同じ文字数・同じ意味であっても、響きが異なりますよね。
前後の文脈が関わってくるので、
ここでは一概に、どっちがいいとは言えないのですが。
で、どういうことを言いたいのかというと、
「短歌を一度声に出して読んでみる」ということをしてみてほしいなということです。
文字数的には31文字ピッタリでも、
口にすると、なんだか重たい感じになってみたり、
逆に、字余り・字足らずがあっても、
口に出すと、すごくはまった感じになるものもあると思います。


<今月の作品>

 ~第3回テーマ「嫉妬」~
それでは、今回気になった作品を紹介します。
( )内が投稿者のお名前(ペンネーム)です。

毎回のことですが、紹介しきれなかった方、ごめんなさい。
これからも投稿してくださいね。
もちろん、今回紹介させていただいた方も、
次回以降もぜひぜひ投稿してください!!


後ろから抱きしめうなじにキスをする きっとあなたは彼女にそうする(ラブタイタイ)

 キスをしたのは、この歌の主人公が「あなたに」なのでしょうか。
 あるいは、あなたが彼女にそうする様子を、
 主人公が頭の中で想像しているところなのでしょうか。
 そこがちょっとわかりにくかったのが残念です。



女子マネが渡すポカリがうまそうだ バスケコートに背を向け麦茶(岡本雅哉)
 
 今回、女性の嫉妬をテーマにした投稿作が多かったこともあり、
 ちょっと異質で目を惹く作品でした。
 思春期男子にエールを送りたくなりますね!
 惜しいなと思ったのは、「背を向け麦茶」の言い方から、冷静さを感じてしまうところ。
 もう少し、前半で感じた男子力(とでも呼ぶべき熱さ?)を保って欲しかったです。



アイロンを強く押し当て焦げ付いた匂いで気付く嫉妬している (小埜マコト)

 気付く、の後に1マスあけを入れたほうが、
 より読みやすくなると思います。
 また、これは個人的な好みもあるのかもしれませんが、
 漢字の割合を少し減らしたほうが、字面的に綺麗かなと思います。
 具体的には「当て」「付いた」などは、ひらがなでもいいのじゃないかな、と。



嫉妬とかされてみたいししてみたい なまえもしらないあなたとの恋 (飯山瑞枝)

 前半と後半のつながりがイマイチな気がします。
 それぞれを使って、2つの別の短歌にしたほうが、
 おもしろくなるのではないでしょうか。


 
「週末もひとりだったよ」助手席にグロスのついた空き缶ひとつ(mama*)

 情景がすうっと浮かぶのですが、
 実は、歌人・佐藤真由美さんのもので、これと似た短歌があります。
  この煙草あくまであなたが吸ったのね そのとき口紅つけていたのね(佐藤真由美)
 【集英社文庫『プライベート』収録】
 短歌は、前例を踏まえることで、さらにおもしろくなることがあると思いますので、
 そのためにも、いろいろな方の短歌を読んでみてくださいね。



君からのメールは全部とってます 彼女に送ることもできます(水元成美)

 妙に冷静なところが、
 今回のテーマである「嫉妬」の恐ろしさを感じさせて、よかったです。
 どんなメールなのか、思わず想像してしまいますね。



カップルを贔屓にするなA定食 ポツンひとりでカレー待ってる(宇津つよし)

 投稿作の中で、
 まるで系統の違うものだったので、気になって、思わず選んでしまいました。
 前半、おもしろかったです。
 A定食は、2人で頼むのがちょうどいいようなものなのでしょうか。
 ただ、後半の「ポツンひとりで」という言い方は、
 無理やりの字数合わせに思えてしまいました。



やきもちの心は僕をくるくると縛ってぎゅわってさせるから嫌(miho)

 独特の擬音をうまく使って、
 嫉妬をおもしろく表現していると思うのですが、
 「やきもちの心」という言い方に違和感を覚えてしまいました。
 少し子どもっぽすぎるような感じがしてしまいます。


みなさん、さまざまな嫉妬をありがとうございます。
読みながら、怖くなったり共感したりしていました。
また、短歌以外のメッセージもありがとうございます。
これからも質問・ご意見などありましたら、
短歌と一緒に送ってくださいね。


<今月のかとちえ賞>
選ばせていただいたのは、この作品です。

君からのメールは全部とってます 彼女に送ることもできます

水元成美さん、おめでとうございます!!
水元さんは、前回の「切ない想い」でも取り上げさせていただきましたが、
これからもぜひ素敵な短歌を投稿してくださいねー。
お待ちしています。


今月のかとちえ短歌
「嫉妬」、思いのほか難しいテーマでした……。

メイクとか喋り方とか服装とか真似してみても無意味みたいだ
(加藤千恵)


<次のテーマ>

今日からは、「涙」というテーマで短歌を募集します!
悲しいときの涙はもちろん、嬉し涙など、
さまざまな涙をテーマとした短歌、楽しみに待ってます。
以下、募集要項です。

5月10日締め切りで、一人2首以内、テーマ記載の上、
ペンネームがある場合はペンネームも添えて。
→送り先:tanka_57577@3anet.co.jp(第二出版部かとちえ短歌教室係まで。
アドレスの「@」を半角に修正してお送りください)

どうぞよろしくお願いします!