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Web連載 かとちえの短歌教室 【連載終了】
第4回目 かとちえの短歌教室 テーマは“母”


<ご挨拶>
こんにちは、加藤千恵です。
最近、あったかいせいか、睡魔が絶え間なく訪れます。
わたしは、1日中でも眠っていられるし、眠るの大好きだし、
という性質なんですが、
みんながみんなそうじゃないことを、
わりと大人になってから知りました。
あと、眠いと不機嫌になるという性質も持っていますが、
大人はあまり、そういうふうにはならないってことも……。
反省しつつ、短歌を作る上でのワンポイント、
ご紹介したいと思います。

<伝える順番を考える>
「AだからBです」
「Bです。なぜならAだから」
まったく同じ内容のことを言っていても、
伝える順番によって、まるで印象が変わることがあります。
これは日常会話においてもあることだと思うのですが、
短歌の場合でも、一緒です。
Bだということを伝えたい場合に、
Bを冒頭に持ってくるのか、
あるいはあえてBを一番最後まで取っておくのか。
なんだかおもしろみのない短歌であっても、
言葉の順番を入れ替えることで、
急に違って見える場合があります。
そして当然、その逆になってしまうことも。
「このことを伝えるにあたって、この順番が一番効果的なんだろうか」
というようなことも、
短歌を作る上で、意識してみてくださいね。

<今月の作品>

 ~第4回テーマ「母」~
それでは、今回気になった作品を紹介します。
( )内が投稿者のお名前(ペンネーム)です。

毎回のことですが、紹介しきれなかった方、ごめんなさい。
そういった方も、今回紹介させていただいた方も、
次回以降も、ぜひ投稿してくださいね!



恋人の名字になった 「お母さん」と呼べる人が増えた幸せ (mama*)
 
 前半、結婚という言葉を使わずに、それを表現しているところは、
 すごくいいと思ったのですが、
 それゆえに、後半でちょっと失速してしまったような感じがします。
 また、3・4句目、字数的には合っているのですが、
 読む際には、「お母さん」と/呼べる人が/
 となってしまいますので、ちょっとリズム感に欠けてしまうような。




母親のまなざしよりもあたたかい光があれば拝見したい(音無)

 お母さんのあたたかいまなざし、
 という一般的なテーマでありながら、
 言い回しなどから、少し奇妙な印象を持たせたところに惹かれました。
 (一体これは、誰がどういうシチュエーションで言っているのか、だとか)
 突き詰めていけば、ホラー的な印象を持たせることもできそうです。




手のひらで優しい気持ちになる魔法
母も祖母から教わったのか (扇子)

 今回投稿された2首とも、2行書きで書かれていましたが、
 こういうふうに、普通(1行書き)と異なる書き方をする場合は、
 何らかの意図がある場合のみのほうがいいかと思います。
 歌の内容に関しては、
 母親が子どもの頭をなでている場面が浮かんだのですが、どうでしょうか。
 だとすると、優しい気持ちに「なる」よりも、
 「する」のほうが適切なのではないかな、と思います。




思い出をわずかに綺麗に焼きなおし母は父との思い出語る(ラブタイタイ)

 思い出を美化(あるいは脚色)して語る、
 というありがちな情景を、
 焼きなおし、という言葉で表現したのがすごくいいです。
 気になる点としては、「思い出」という言葉が、
 重複してしまっているところでしょうか。
 ここを推敲すると、もっとよくなると思います。




贅沢はいつでも戻ってきて良いよ 言ってくれること 帰らないこと (みちよ)

 ≪「いつでも戻ってきて良いよ」と母が言ってくれる→
 わたしはその言葉を聞きつつも帰らない→
 それって贅沢なことだ≫
 という流れなのだと思いますが、
 ちょっと言葉のつながりに不自然さを感じてしまいます。
 「」(カギカッコ)などを使ったり、語順を入れ替えたり、
 言い換えたりすると、わかりやすくなるのではないでしょうか。




母の日にあげたエプロン今もまだ大事にしてる大事なひとだ (冴葉 あい)

 内容は、ストレートで可愛らしくていいと思うのですが、
 エプロンの部分が少し気になりました。
 もっと別の、普通なら捨ててしまいそうなもの(似顔絵とか?)を
 大事にしているほうが、
 母親の愛情の強さを表せるような気がします。




近いうち世界の偉人シリーズにマザールリコが加わる予定(さっこ)

 おもしろく読みました。
 大作、という感じではないですが、完成度の非常に高い作品だと思います。
 「マザールリコ」というタイトルで、短歌連作に挑戦してほしいくらいです。
(連作とは、1つのテーマやストーリーを背景として、複数の作品を並べたもの)




ブランコのバラバラに揺れる校庭を走って去って明日から母校 (朝倉ここ)

 今回取り上げさせていただいた中で、
 唯一「母親」ではない「母」を使っている作品です。
 後半7・7の、
 畳み掛けていくようなリズミカルさがすごくいいと思いました。

 

母への思いや、母となった気持ち、
母親以外をテーマとしたものなど、
たくさんの短歌、ありがとうございました。
もちろん、短歌以外のメッセージも読ませていただいてます!
これからも質問・ご意見などありましたら、
短歌と一緒に送ってくださいね。


<今月のかとちえ賞>
選ばせていただいたのは、この作品です。

近いうち世界の偉人シリーズにマザールリコが加わる予定

さっこさん、おめでとうございます!!
マザールリコにどうぞよろしく。(←さりげなく7・7のリズム)


今月のかとちえ短歌
ストレートに、母への愛情や尊敬を詠もうかな、と考えていたはずなのに、
できたのはまるで違うものでした……。

階段で触れ合った手が増やしてる お母さんにも言えないことを
(加藤千恵)


<次のテーマ>

今日からは、「空」というテーマで短歌を募集します!
青空など、ストレートなものはもちろん、
空腹や空っぽといったように、空という言葉が入っているものであれば、
問題ありません。
あるいは言葉そのものは入っていなくても、空を喚起させるようなものであれば。
楽しみにお待ちしています。
以下、募集要項です。

6月10日締め切りで、一人2首以内、テーマ記載の上、
ペンネームがある場合はペンネームも添えて。
→送り先:tanka_57577@3anet.co.jp(第二出版部かとちえ短歌教室係まで。アドレスの「@」を半角に修正してお送りください)

どうぞよろしくお願いします!