初級を教える人のための日本語文法ハンドブック

日本語教師が初級を教えるのに必要な文法項目を網羅した文法解説書です。初級で扱われる文法事項を広く取り上げて分類し、各項目ごとに「これだけは」「もう少し」「もう一歩進んでみると」の3段階に分けて解説、経験の浅い教師から、ベテラン教師までのニーズに対応しています。巻末には主要教科書(『みんなの日本語初級』『新日本語の基礎』『新文化初級日本語』『進学する人のための日本語初級』『初級日本語』『日本語初歩』)との対応表付き。

目次

まえがき
本書の使い方

第Ⅰ部

§1 指示詞・疑問詞(コソアド)
  1.現場指示
  2.コソアドの形
  3.「この/その/あの」「これ/それ/あれ」「何」「だれ」「どちら」
  4.「こんな/そんな/あんな/どんな」と「この/その/あの/どの」
  5.「ここ/そこ/あそこ/どこ」「こちら/そちら/あちら/どちら」
  6.「どれ」「どいつ」「どちら/どっち」「どの」「どちらの/どっちの」
  7.「なぜ」「なんで」「どうして」
  8.「いつ(ごろ)」「いくつ(ぐらい)」
  9.疑問詞+か、疑問詞+も

§2 格助詞
  1.文型で用いられる格
  2.意味に重点が置かれる格
  3.格助詞の使い分け

コラム 生産性

§3 名詞と名詞を結ぶ助詞-並列助詞と「の」-
  1.並列助詞「と、や、か」
  2.名詞と名詞を結びつける「の」
  3.名詞の代わりをする「の」(準体助詞)

§4 存在・所有を表す表現
  1.存在に関する表現(存在文)
  2.所有を表す表現(所有文)

§5 時間を表す表現(1)-テンス・完了-
  1.ル形とタ形
  2.基本的なテンス
  3.タ形の二つの意味
  4.~てしまう
  5.~たことがある、~たことがない
  6.~ことがある
  7.相対テンス

§6 時間を表す表現(2)-アスペクト-
  1.~ている
  2.~ているところだ、~つつある
  3.~続ける(~続く)
  4.~始める、~だす、~終わる(~終える)、~やむ
  5.~ところだ
  6.~てある
  7.「~てある」と「~ておく」
  8.~てみる

§7 変化を表す表現
  1.「なる」と「する」
  2.「ようになる」と「ようにする」
  3.「ことになる」と「ことにする」
  4.変化動詞と「なる」

§8 可能を表す表現
  1.可能形の作り方
  2.可能表現の意味
  3.可能表現で用いられる格
  4.~ことができる
  5.見える・聞こえる(自発)

コラム 「-(ら)れる」の意味

§9 引用
  1.と
  2.ように

§10 自動詞と他動詞
  1.自他の対応
  2.自動詞と受身文
  3.他動詞と使役文

§11 授受の表現-あげる・くれる・もらう-
  1.動詞としての使い方
  2.待遇形式
  3.補助動詞としての「~てあげる・~てくれる」
  4.補助動詞としての「~てもらう」

§12 ~ていく・~てくる
  1.「(~て)いく・(~て)くる」の空間的用法1:主体の移動
  2.「~てくる」の空間的用法2:対象の移動
  3.「~ていく・~てくる」の時間的用法

§13 話し手の気持ちを表す表現(1)-判断-
  1.断定を表す表現
  2.だろう、と思う
  3.かもしれない
  4.はずだ、にちがいない
  5.そうだ①
  6.ようだ、みたいだ、(らしい)
  7.そうだ②(らしい)
  8.区別が問題になる表現

§14 話し手の気持ちを表す表現(2)-意志・願望-
  1.意向形「~(よ)う」
  2.つもりだ
  3.ことにする
  4.ほしい、~たい

コラム ことばのゆれ

§15 話し手の気持ちを表す表現(3)-命令・依頼・勧誘-
  1.~なさい、命令形(しろ)/~な
  2.~てください、~てくださいませんかetc.、~てくれ、~て
  3.~ましょう、~ましょうか、~ませんか、~(よ)う、~(よ)うか、
    ~ないか

コラム 文の種類

§16 話し手の気持ちを表す表現(4)-義務・勧め・許可・禁止など-
  1.~なければいけない、~なければならないetc.
  2.~ほうがいい
  3.~てもいい、~なくてもいい
  4.~てはいけない

§17 話し手の気持ちを表す表現(5)-終助詞-
  1.ね
  2.よ、よね

§18 比較
  1.二つの物事を比較する表現
  2.三つ以上の物事を比較する表現

コラム モダリティ

§19 埋め込み表現
  1.~こと、~の
  2.~か、~かどうか

§20 名詞修飾
  1.名詞修飾の種類と基本的な特徴
  2.内の関係の名詞修飾
  3.外の関係の名詞修飾

§21 複文と接続詞(1)-「~て」・付帯状況・並列などの表現-
  1.~て、中止形
  2.~ないで、~なくて、~ずに、(~ず、~なく)
  3.~ながら
  4.~たまま
  5.~たり~たり
  6.~し
  7.それに

§22 複文と接続詞(2)-時間-
  1.~とき、~ときに、~とき(に)は
  2.~て、~てから、~あとで、~あと、~まえに、~まえ
  3.~までに、~まで、~あいだに、~あいだ、~うちに
  4.そして、それから

§23 複文と接続詞(3)-理由・目的-
  1.~から
  2.~ので
  3.~ために
  4.~(し)に、~のに
  5.~ように
  6.だから、それで、そのために

§24 複文と接続詞(4)-条件-
  1.~と
  2.~ば
  3.~たら
  4.~なら
  5.4形式の使い分け
  6.すると、それなら、それでは、では

§25 複文と接続詞(5)-逆接-
  1.~ても
  2.~のに
  3.~けれども(~けれど、~けど、~が)
  4.それなのに、けれども、しかし、ところがetc.

コラム 複文

§26 とりたて助詞
  1.とりたて助詞とは
  2.とりたて助詞の基本的性質
  3.「も」-並列を表すとりたて助詞
  4.「だけ」と「しか~ない」-限定を表すとりたて助詞
  5.ばかり-「多い」という気持ちを表すとりたて助詞

コラム 主語

§27 「は」と「が」
  1.「は」の基本的性質(1)(主題を表す)
  2.「は」の基本的性質(2)(対比を表す)
  3.「が」の基本的性質(1)(中立叙述を表す)
  4.「が」の基本的性質(2)(総記を表す)
  5.「は」と「が」の基本的な違い
  6.「は」と「が」の使い分けの規則

コラム 格の階層性

§28 関連づけ
  1.関連づけの「のだ」(1)
  2.関連づけの「のだ」(2)
  3.関連づけの「のだ」(3)
  4.関連づけの「のだ」(4)

コラム 相補分布

§29 疑問文の種類と文末形式
  1.疑問文の種類とその答え方
  2.疑問文に使われる「のだ」
  3.「か」のバリエーション

§30 立場を表す表現-ヴォイス(受身・使役・使役受身)-
  1.受身形・使役形・使役受身形の作り方
  2.受身文の種類
  3.受身の形を持つ動詞と持たない動詞
  4.直接受身文の動作主を表す格
  5.受身文の働き-なぜ受身文を使うのか
  6.使役文の種類
  7.使役を使ったその他の表現

§31 その他の構文
  1.ハーガ構文
  2.強調構文
  3.~のは…からだ
  4.~やすい、~にくい、~すぎる

§32 敬語
  1.素材敬語と対者敬語
  2.尊敬語
  3.謙譲語・丁重語
  4.丁寧語・美化語
  5.どんな時に敬語を使うか

コラム 「丁寧に話す」とは?

§33 文体
  1.デス・マス体とダ体・デアル体
  2.書きことばと話しことば
  3.男女差

§34 語順・省略
  1.語順
  2.基本語順が変更されるとき
  3.省略

第Ⅱ部

§35 品詞
  1.動詞
  2.名詞
  3.形容詞
  4.副詞
  5.接続詞
  6.助詞
  7.その他の品詞

§36 活用
  1.語幹と活用
  2.活用形の名称
  3.丁寧形と普通形(Plain from)
  4.不規則な活用をする形容詞

§37 名詞(文)
  1.名詞の文法的性質
  2.名詞とナ形容詞
  3.名詞の下位分類
  4.代名詞
  5.名詞文(指定文と措定文)

§38 動詞
  1.動詞の必要とする名詞句(=項)と他動性
  2.動詞の方向性
  3.動詞の状態性
  4.動詞の意志性

§39 形容詞
  1.形容詞の基本的な働き
  2.属性形容詞と感情形容詞
  3.形容詞の語順と前項の形式
  4.形容詞が必要とする名詞句とその格

§40 副詞
  1.副詞の種類
  2.誘導副詞(陳述副詞)
  3.程度副詞
  4.様態副詞
  5.副詞とその周辺

§41 数量詞
  1.数量詞
  2.助数詞
  3.時間を表す表現
  4.概数表現

§42 接辞
  1.~らしい
  2.~っぽい
  3.~中(ちゅう・じゅう)
  4.~方(かた)
  5.(形容詞の語幹)+さ
  6.~まる・~める

あとがき
主要初級教科書との対応表

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