中間言語語用論概論 第二言語学習者の語用論的能力の使用・習得・教育

日本語能力試験の改訂や様々な機関によるスタンダード構築の試みにも見られるように外国語教育・学習に関して、「発音、文法、語彙」などの言語知識の習得から、その外国語で「何ができるか」に関心が移ってきています。外国語でコミュニケーションを成功させる上で重要な、実際に言葉を使う状況や場面、相手との人間関係などに照らして適切な言い方で話せる能力に関する「中間言語語用論」について研究成果をまとめ、教育への応用の仕方を提示しています。
 言語学、応用言語学、英語教育、日本語教育、異文化コミュニケーションなどに関わる分野を専攻する学生・大学院生、英語教育や日本語教育などに携わる方々にお勧めの一冊です。

目次

はじめに

第1部 中間言語語用論を学ぶための基礎知識
 イントロダクション
 第1章 コミュニケーション能力と語用論的能力
  1.1 コミュニケーション能力
   1.1.1 言語能力とコミュニケーション能力
   1.1.2 コミュニケーション能力の構成要素
  1.2 語用論的能力
   1.2.1 語用論的能力の構成要素
   1.2.2 語用言語学と社会語用論
 第2章 語用論の諸理論
  2.1 発話行為理論
  2.2 協調の原則と会話の含意
  2.3 ポライトネス理論

 第3章 中間言語語用論研究の方法
  3.1 研究方法
   3.1.1 質的研究と量的研究
   3.1.2 縦断的研究と横断的研究
   3.1.3 観察型研究と介入型研究
  3.2 データ収集方法
   3.2.1 口頭インタラクションのデータ
   3.2.2 筆記データ
   3.2.3 自己報告データ
   3.2.4 多方法的アプローチの勧め
   3.2.5 比較する言語データ

第2部 異文化間語用論
 イントロダクション
 第4章 異文化間語用論
  4.1 異文化間語用論とは
  4.2 直接性・間接性の度合い
  4.3 発話行為・ポライトネスの普遍性
  4.4 異文化間発話行為実現プロジェクト
  4.5 発話行為の実現に使用されるストラテジー

第3部 中間言語語用論
 イントロダクション
 第5章 語用論的知識の使用
  5.1 語用論的特徴の理解
   5.1.1 非字義的意味の理解
   5.1.2 ポライトネスの評価
   5.1.3 社会語用論的要素の評価
  5.2 発話行為の産出
   5.2.1 依頼
   5.2.2 謝罪
   5.2.3 断り
   5.2.4 ほめ/ほめに対する返答
   5.2.5 感謝
   5.2.6 不平
   5.2.7 その他の発話行為
 第6章 語用論的転移
  6.1 語用論的転移とは
   6.1.1 正の転移
   6.1.2 負の転移
   6.1.3 語用言語学的転移と社会語用論的転移
   6.1.4 語用論的転移の研究
   6.1.5 語用論的転移に関して注意すべき点
  6.2 語用論的転移とL2習熟度
  6.3 転移の起こりやすさ
  6.4 逆行転移
 第7章 語用論的能力の習得
  7.1 語用論的能力の習得の研究
   7.1.1 理解能力の習得の研究
   7.1.2 産出能力の習得の研究
  7.2 語用論的能力に関する習得理論
  7.3 語用論的能力の習得と文法能力の習得
  7.4 語用論的能力の習得と学習環境
   7.4.1 第二言語環境と外国語環境
   7.4.2 第二言語環境の問題点
   7.4.3 外国語環境における語用論的能力の習得
  7.5 語用論的能力の習得に対する指導の効果
   7.5.1 指導の可能性
   7.5.2 指導の有無の可能性
   7.5.3 指導の方法による違い―明示的指導vs.暗示的指導
   7.5.4 アウトプットとフィードバック
 第8章 中間言語語用論の言語教育への応用
  8.1 語用論的側面の教育の実践例
  8.2 訓練上の転移の問題
  8.3 今後の課題

引用文献
おわりに
索引

関連情報

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中間言語語用論概論 第二言語学習者の語用論的能力の使用・習得・教育

  • 著者:
    清水崇文
  • 価格: 2,200円(税込)

    電子書籍: 価格は各電子書店にてご確認下さい。

  • 判型: A5
  • 頁数: 342頁
  • ISBN: 9784883195138

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