コミュニケーション能力を伸ばす授業づくり ―日本語教師のための語用論的指導の手引き―

コミュニケーションには何が必要か?

対面コミュニケーションは、話し手と聞き手の関係や会話をしている状況などの「社会的・状況的文脈」なしには成り立ちません。
この「社会的・状況的文脈と意味の関係」を考える言語学の分野が語用論です。

学習者の日本語の対面コミュニケーション能力を伸ばすために日本語教師はどのようなことができるのか、何をすべきなのかについて、語用論の分野の研究成果に基づいて提案している一冊です。

目次

はじめに
    日本語を学ぶ目的
    対面コミュニケーション
    社会的・状況的文脈
    語用論

第1章 言語教育実践のための枠組み
    コミュニカティブ・アプローチに基づく教育実践
    プロフィシェンシーを重視した教育実践
    Can-doに基づく教育実践

第2章 コミュニケーション能力
    コミュニケーションには何が必要か
    学習者の発話から見えてくること
    コミュニケーションには何が必要か(再考)
    コミュニケーション能力の構成要素
    構造的知識
    語用論的知識
    発話行為
    ポライトネス
    ブラウンとレビンソンのポライトネス理論
    コミュニケーションの目的
    意図の伝達と相手への配慮のバランス
    意図の伝達と配慮のバランスはどの言語でも同じか
    配慮の示し方にもいろいろある
    語用論的失敗により被る不利益
    上手な学習者ほど受ける不利益は大きい
    教室で語用論的指導は行われているか
    語用論的指導が積極的に行われていない理由
    語用論的側面の重要性の認識の欠如
    語用論的指導の難しさ
    既存のカリキュラムとの調和

第3章 学習者の語用論的能力
    日本語教師の疑問
    語用論的失敗の原因
    構造的知識の不足
    母語の語用論的知識の影響
    目標言語の語用論的規範に対する誤解
    学習方法・使用教材の影響
    学習環境の影響
    語用論的知識の習得を妨げる要因
    必要なインプットに接する機会の少なさ
    否定証拠の欠如
    語用論的に不適切なインプット
    学習者の個人差
    自然習得環境だけに任せることはできない
    指導の効果
    明示的指導と暗示的指導
    気づき仮説
    アウトプットも重要
    教師からのフィードバック
    アウトプット仮説
    三つの疑問への回答

第4章 語用論的指導
    語用論的指導のポイント
    意図の伝達と相手への配慮のバランスを意識させる
    学習項目の選び方
    「適切さ」の指導は難しい
    適切さには「正解」がない
    社会的・状況的要因は多く、要因の状態も無限
    語用論的知識を習得するための基盤ー気づく力
    気づきの機会を提供する
    周りの発話行為の観察・分析
    意識を高めるためのリスニング活動
    社会的・状況的文脈の提示の仕方
    リスニング活動の実践例
    メタ語用論的情報の提示
    学習者の気づきに対するフィードバック
    明示的指導で気をつけること
    多様な場面に対応できるようにするには
    コア発話と補助ストラテジー
    内的修正と外的修正
    内的修正の仕方
    丸暗記させることの弊害
    外的修正の仕方
    補助ストラテジーの組み合わせで談話が作られる
    内的修正と外的修正のコンビネーション
    発話行為の仕方の学習の流れ
    発話行為に答えるとき
    3種類の応答の比較
    コミュニカティブな運用練習によるアウトプット
    ロールプレイまでの段階を踏んだ積み上げ
    フィードバックは適切さを中心に
    語用論的指導の流れ(まとめ)
    学習成果の実例
    最後に一言

おわりに
引用文献
索引

関連情報

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コミュニケーション能力を伸ばす授業づくり ―日本語教師のための語用論的指導の手引き―

  • 著者:
    清水崇文
  • 価格: 1,540円(税込)

    電子書籍: 価格は各電子書店にてご確認下さい。

  • 判型: 四六
  • 頁数: 162頁
  • ISBN: 9784883197675

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