日本語類義表現と使い方のポイント ―表現意図から考える―

日本語学習者が迷う類義表現の使い分けについて、形や意味の違いだけではなく、話し手の「表現意図」(話し手が自分の気持ちや意見、認識をどう表そうとするか)という観点からも考える、新しいタイプの解説書です。

類義表現を「意志」「願望」などの機能を中心に44カテゴリーに分け、延べ約600の表現を取り上げています。

全体は二部構成で、第Ⅰ部では、複数の類義表現を比較しながら解説しているため、表現の違いや使い分けについて考えながら読み進めることができます。
第Ⅱ部では、個々の表現について意味や例文を簡潔にまとめていますので、ポイントだけを知りたいときに便利です。

教師用の参考書として学習者への指導に役立つだけでなく、学習者自身がこれまでに学んできた類義表現の違いを整理し、実際の場面でも役立てることができる一冊となっています。

目次

まえがき
本書の構成と使い方
本書で扱う表現文型一覧

1課「主題」
1 話題(主題)を提示する
2 話題(主題)の人やものについて述べる

2課「意志」
1 話し手の意志
2 決定

3課「願望」
1 話し手自身の願望
2 他社への願望

4課「義務」
1 義務
2 必然・運命

5課「推量・推定1」
1 可能性
2 根拠に基づく推量・推定

6課「推量・推定2」
1 推量判断
2 納得

7課「伝聞」
1 伝聞
2 言語情報の情報源

8課「許可、許可求め」
1 一般的な許可・許可求め
2 丁寧な許可求め

9課「助言」
1 一般的な助言
2 二者択一の助言

10課「誘い、申し出、依頼、お願い」
1 誘い
2 申し出
3 依頼・お願い

11課「指示、命令、禁止」
1 お願いから指示へ
2 指示から命令へ
3 禁止

12課「感情1(好き、嫌い、驚き)」
1 好き
2 嫌い
3 驚き

13課「感情2(喜び、悲しみ、感謝)」
1 喜び
2 悲しみ
3 感謝

14課「感情3(謝罪、後悔・反省)」
1 謝罪
2 後悔・反省

15課「感情4(諦め、過度の感情)」
1 諦め
2 過度の感情

16課「開始、進行中、終了」
1 動作の開始直前
2 動作の進行中・継続中
3 動作の終了・完了

17課「変化」
1 なる・~てくる・~ていく等
2 自動詞・~ようになる・~化(する)・~まる
3 急速な変化・一方的な変化

18課「経験」
1 普通の経験
2 珍しい経験

19課「受身」
1-1 被害の受身1
1-2 被害の受身2
1-3 被害の受身3
2   自動詞の受身
3   中立受身

20課「とき1」
1 ~とき・~ときに・~ときには・~ときは
2 ~とき・~たら・~と・~てすぐ(に)・~と同時に

21課「とき2」
1-1 時間の前後関係1「~てから・~あとで・~たら・~次第」
1-2 時間の前後関係2「『~てから』と『~あとで』の違い」
2   その時点以降を表す「~(て)以来・~てからというもの」等

22課「とき3」
1 一定の時間・期間内に状態・行為が終了する
2 一定の時間・期間、状態・行為が続く

23課「とき4」
1 同時の動作・状態
2 1つのことが終わって、すぐ次のことが起こる
3 限界・限度

24課「条件1」
1   仮定性が強い場合
2-1 仮定性が弱い場合1
2-2 仮定性が弱い場合2

25課「条件2」
1 ~たら・~としたら・~となったら
2 ~ば・~とすれば・~となれば
3 ~と・~とすると・~となると
4 ~(の)なら・~とする(の)なら・~となる(の)なら

26課「条件3」
1-1 必要条件1「それが必要だ」
1-2 必要条件2「それなしにはできない」
2   誇張した条件表現

27課「原因・理由1」
1 一般的な原因・理由表現
2 評価や言い訳・説明を表す原因・理由表現

28課「原因・理由2」
1 「から」を含む原因・理由表現
2 その他の原因・理由表現
3 2文をつなぐ接続詞

29課「目的」
1 ~に・~ため(に)・~ように
2 ~に向けて・~を目指して・~に・~のに・~には

30課「逆接1」
1 一般的な逆接表現
2 書き言葉的な逆接表現

31課「逆接2」
1 「仮にそうであっても」を表す逆接表現
2 「仮にそうしても、無駄だ」を表す逆接表現

32課「逆接3」
1 部分的に認めて言い直す表現
2 2文をつなぐ接続詞

33課「対比」
1 「~は」を用いた対比
2 取り立て助詞「だけ・しか・ほど・も・は等」による対比
3 ~一方(で)・~反面・~に対して・~にひきかえ

34課「比較」
1-1 二者比較1(質問と答え)
1-2 二者比較2(1文レベル)
2-1 三者以上の比較1(質問と答え)
2-2 三社以上の比較2(1文レベル)

35課「比例」
1 一般的な比例表現
2 書き言葉的な比例表現

36課「並列・例示1」
1 名詞の並列・例示
2 イ形容詞の並列・例示
3 ナ形容詞・「名詞+だ」の並列・例示
4 動詞の並列・例示

37課「並列・例示2」
1 例を挙げて、評価的な結論を導く
2 例を挙げて、「やり方」を助言する
3 並列助詞「の・だの・やら等」を使った並列・例示

38課「無関係」
1 ~ても~ても・~(よ)うと~まいと等
2 いくら/どんなに/いかに~ても/~(よ)うと等
3 ~によらず・~を問わず・~にかかわらず等

39課「付加」
1 ~し・~だけで(は)なく(て)・~ばかりで(は)なく(て)・~うえに等
2 ~はもちろん・~はもとより・~はおろか・~どころか等
3 2文をつなぐ接続詞

40課「類似、比喩・比況」
1—1 類似1「~に/と似ている・~に/とそっくりだ等」
1—2 類似2「評価の入る類似表現」
2—1 比喩・比況1
2—2 比喩・比況2

41課「根拠、立場・観点」
1—1 根拠1「外見・外観1」
1—2 根拠2「外見・外観2」
1—3 根拠3「言語情報」
2   立場・観点

42課「前置き」
1 声をかける
2 「すでに話したことである」と言って考えを述べる
3 慣用的な前置き表現

43課「敬語1(尊敬語)」
1—1 敬意の対象者が相手1「先生と学生の会話」
1—2 敬意の対象者が相手2「社員と上司の会話」
2—1 敬意の対象者がその場にいない1「学生同士の会話」
2—2 敬意の対象者がその場にいない2「社員同士の会話」

44課「敬語2(謙譲語・丁重語)
1—1 敬意の対象者が相手1「先生と学生の会話」
1—2 敬意の対象者が相手2「社員と上司の会話」
2—1 敬意の対象者がその場にいない1「学生同士の会話」
2—2 敬意の対象者がその場にいない2「社員同士の会話」

参考文献
索引

関連情報

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日本語類義表現と使い方のポイント ―表現意図から考える―

  • 著者:
    市川保子
  • 価格: 2,640円(税込)

    電子書籍: 価格は各電子書店にてご確認下さい。

  • 判型: A5
  • 頁数: 645頁
  • ISBN: 9784883197774

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