会話の授業を楽しくする コミュニケーションのためのクラス活動40

本書は、会話の授業を担当する日本語教師に向けて、学習者のコミュニケーション能力を伸ばすための口頭表現(会話)教育の活動を40紹介しています。各課は、基本活動と応用活動からなり、それぞれについて具体的な活動の手順、指導例の説明を載せています。
活動に必要なワークシートもついていますので、どの活動もすぐに授業で実践することができます。また、各課の終わりにはコラムとして活動の理論的背景となった内容が簡単に紹介されています。

目次

はじめに

本書の特徴

本書の構成と使い方

第1部 ともかく話す:自分の言いたいことを、自分の言葉で伝える
第1課 おしゃべりの引き出し
 目的:自分にかんする多様な話題について日本語で話すことに慣れる
 基本活動:ブレインマップを使い、あるテーマについて話す(初級後)
 応用活動:カードに書かれたトピックについて即興で話す(中級前)

第2課 個性的な自己紹介
 目的:少ない語彙でも自分のことを説明できるようになる
 基本活動:実物を使って、自分のことを自分らしく説明する。(初級後)
 応用活動:グループのメンバーに共通することを紹介する(中級前)

第3課 私の自慢
 目的:「どれくらい」という程度を具体的かつ魅力的に語る
 基本活動:あるモノのよさを取りあげ、具体的に語る(初級後)
 応用活動:自分自身のすばらしさを魅力的に演出する(中級前)

第4課 雑談力をみがく
 目的:雑談の場で、自分から会話を始め、会話をリードする
 基本活動:初対面に近い人に、適切に質問する技術をみがく(中級後)
 応用活動:適切なときに話題を転換し終了する技術をみがく(中級後)

第5課 チームで協力!
 目的:自己の役割を明確に持って、議論の場に参加する
 基本活動:ミステリー小説を題材に協力して読み、推理する(中級後)
 応用活動:意見文を協力して読み、話し合い、意見をまとめる(上級前)

第2部 書き手を意識:自分の言いたいことを、聞き手を意識して調整して伝える
第1課 ウソを見破れ!
 目的:聞き手の理解を想定して情報を取捨選択して話す
 基本活動:話し手の話に含まれているウソを見破る(初級後)
 応用活動:事実を誇張したウソを交え自己アピールをする(中級前)

第2課 話し方とキャラクター
 目的:コミュニケーションのタイプを知りそれに合った話し方をする
 基本活動:コミュニケーションにおける自分のタイプを知る(初級後)
 応用活動:相手のタイプに合わせた話し方を考えて実戦する(中級前)

第3課 偶然について話
 目的:情報を取捨選択し、関連づけてわかりやすく話す方法を学ぶ
 基本活動:偶然の出来事をその偶然さが伝わるように話す(初級後)
 応用活動:自分に影響を与えた偶然の出来事について話す(中級前)

第4課 コメント力をきたえる
 目的:たがいにコメントしあいながら作文の表現や内容を改善する
 基本活動:ペアで質疑応答しながらたがいの作文を添削する(中級前)
 応用活動:グループで質疑応答しながら作文を添削する(中級後)

第5課 上手な意見の伝え方
 目的:他社との交渉をとおして自分の考えやその伝え方を見つめなおす
 基本活動:物語の解釈についてグループ内で考え伝えあう(中級後)
 応用活動:グループを変え対話を重ねながら考えを深める(上級前)

第3部 内容を整理:自分の言いたいことを、内容を整理して説得的に伝える
第1課 説明のコツ
 目的:聞き手の理解に合わせて情報量や出し方を調整して伝える
 基本活動:イラストを組み合わせて話を作り説明する(中級前)
 応用活動:資料として用いた図表をわかりやすく説明する(中級後)

第2課 これは誰の意見?
 目的:引用の方法を理解し自他の意見を区別する方法を学ぶ
 基本活動:引用を用いて言葉の定義をし、自分の主張を述べる(中級前)
 応用活動:ディベートにおける効果的な引用の方法を学ぶ(中級後)

第3課 フィラーにトライ!
 目的:フィラーの働きを理解し自然な印象でスピーチをおこなう
 基本活動:基本的なフィラーを適切に用いてスピーチをおこなう(中級前)
 応用活動:話の展開に使うフィラーを用いてスピーチをおこなう(中級後)

第4課 依頼のテクニック
 目的:相手に気持ちに配慮して依頼交渉を円滑に進める
 基本活動:会話の相手・場・内容を考えながら依頼をする(中級後)
 応用活動:難しい依頼を成功させる方策を考え依頼する(上級前)

第5課 説得の技術
 目的:反論が想定される自己の主張を相手に納得させる技術を学ぶ
 基本活動:常識に反するような意見を論理的に主張し説得する(上級前)
 応用活動:ある主張について証拠を積み重ねながら説得する(上級前)

第4部 聞き手に配慮:自分の言いたいことを、聞き手の感情に配慮して伝える
第1課 私ならあなたなら
 目的:聞き手の感情に配慮しながら言うべきことを明確に伝える
 基本活動:禁煙場所でタバコを吸っている人に注意する(中級前)
 応用活動:友人の悩みを聞き出し相談に乗る(中級後)

第2課 あなたも私も幸せに
 目的:相手の気持ちや状況に応じて柔軟な対応ができるようになる
 基本活動:相手の反応を見ながら希望にそった対応をする(中級前)
 応用活動:他者の意見を取り入れながらロールプレイをおこなう(中級後)

第3課 いらっしゃいませ
 目的:相手の性格を考慮し、相手にとって心地よいほめ方をする
 基本活動:外見をほめながら商品を薦めるロールプレイをおこなう(中級前)
 応用活動:相手の話を聞き、考え方や行動などの内面をほめる(中級後)

第4課 とっさの一言
 目的:周囲との関係を良好に保ちながら気まずい場面を切り抜ける
 基本活動:気まずい場面を相手に配慮し自分らしく切り抜ける(中級前)
 応用活動:気まずい場面をユーモアのある対応で切り抜ける(中級後)

第5課 ユーモアを交えて
 目的:日常の何気ない出来事をおもしろく伝える発想や方法を考える
 基本活動:物語に言葉を追加してユーモアのある話にする(上級前)
 応用活動:自分の話に言葉を追加してユーモアのある話にする(上級前)

参考文献

関連情報

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