「活動型」日本語クラスの実践 –教える・教わる関係からの解放–

「活動型」のクラスは、学習者自ら興味のあるテーマを設定し、それについて他者と対話を繰り返し行うことで、テーマへの認識を深めながら言語の習得を目指します。

本書はこのような学習が初級クラスでどのように行われたかの実践事例を紹介しています。

第1部ではヴェネツィアのカフォスカリ大学で行われた、全16回の授業と学習者のやり取りの様子を紹介します。

第2部では「活動型」の歴史的背景や、評価の考え方など、著者らによる3本の論文を収録しています。

巻末には、学習者のレポートや成果物をそのままの形で掲載しています。


目次

本当のやりとりから言語教育の未来が見える――まえがき 細川英雄

学生の活動を追う前に マルチェッラ・マリオッティ

第1部 ARZの実践活動

第1章 集中ワークショップ――テーマを発見する
    市嶋典子
    第1回:好きなものを語る
        「何が好きですか」
    第2回:固有の表現とテーマの共有
        「私はミステリーの黒雰囲気、好きです」
    第3回:「なぜ好きなのか」という問い 
        「どうしてハリー・ポッターが好きですか」
    第4回:ARZ生どうしのやりとりへ
        「マルゲリータさん、パオラさんに聞いてください」
    第5回:テーマは一人ひとりの中に
        「私は答えを知りません」

第2章 動機文を振り返り、その理由を探る
    マルチェッラ・マリオッティ
    第6回・第7回:自分でことばを選んでも構わない
             「ロックはとても大切です」

第3章 教室内・外での対話――他者との共生へ
    マルチェッラ・マリオッティ
    第8回・第9回:選んだテーマの大切さを対話を通じて把握する
             「なぜ大切なのか」
    第10回:レポートのオリジナリティー、議論の受容、論理性
        「私の、思いの流れ」
    第11回:他者に対する好奇心
        「フィリッポの対話は私にとってとても深いです」

第4章 結論のまとめへ
    マルチェッラ・マリオッティ
    第12回:対話報告で、議論の受容について考える
        「私は、新しい、考え、があります」
    第13回:続けてメールの対話報告にコメントする
        「考えるは面白い」
    第14回:レポートの構成と活動の意味
        「対話で何が変わったか。議論の受容はどこにあるか」

第5章 評価――相互自己評価活動の意味
    市嶋典子、マルチェッラ・マリオッティ
    第15回:評価の主体はARZ生
        「先生は評価しません!」
    第16回:活動最終発表会:コミュニティ関係構築の集大成
        「テーマは違っても気持ちは同じ」

第2部 ARZの理論的背景

第6章 対話活動とことばの教育
    ――ワークショップゼロの理論的な背景と歴史 細川英雄

第7章 直接法における対話と問答法 市嶋典子

第8章 活動型実践と評価 市嶋典子

資料
あとがき 市嶋典子

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